bad place

なんとなく、【いやーな場所】ってないかい?

理由は分からないんだけど足を踏み入れたくはない、そんな場所

俺は霊感やそういうものが見えるような特殊能力があるわけでは無く、むしろそういったものに鈍いほうなんだが、仕事がらいろいろな所に行くことから【いやーな場所】が肌で感じられる時がある

口うるさい親父がいたり、ヒステリーな奥様がいたり、どうでも良い事を念入りにクレームしてくるお坊ちゃん育ちや室内飼いのペットの毛がたっぷり入った毛汁30%ぐらいのお茶をにこやかに勧めてくるおばさん、不倫相手とのデートが忙しくて時間を守らずドタキャンする主婦等、仕事柄いろいろあるんだがこれらは理由がはっきりしているから対策もあるし、まぁこの辺は毎度の事で職業柄仕方ない

困るのは原因不明の違和感?みたいな奴
これは厄介で、自分がいくら嫌だと思っても断る理由が見つからないし、そもそも引き受けて現地に着いてから感じるというパターンが殆どなんでどうしようもない

ちょっといつもと趣向が違うが、俺も人並みにこの手の話をいくつか持っているので紹介していこうと思う


↓  ↓  ↓  ↓  ↓  ↓
あんまり洗練された話ではないのでクリックは計画的に



まぁ 順序的には古い話からの方がいいだろうし、俺の体験の中では比較的ベタで話も分かりやすい話からいこう


20年ぐらい前に、ある会社の仕事で新築戸建住宅の内部工事を請け負った事があった
工事物件はそこそこ田舎で騒音も無く、周りに家も少ない
裏は雑木林で庭も広く、特別景色がいいって訳じゃないが圧迫感とか狭さを感じることの無い割と住みやすそうな場所だった
工事もあらかた順調に進み、あと一週間ほどで引渡しなんで俺は最後の残工事に出向いていった
その日は現場に入る業者は俺一人って事で管理会社から鍵を借りていった
何度か工事には来ているんだが、その日は何かその現場の雰囲気が違う
到着して車を降りた瞬間にすでに違和感があったんだ
なんというか人や物に対するものではなく、その場所?空間?に感じる異様さというか
ごめん、その辺はよく説明できない

前工事の時には複数の業者も居てにぎやかだったし、俺も従業員のYさんと一緒だったから雰囲気のおかしさなんて気がつかなかっただけなのかも知れん

とりあえず仕事なんで意を決して鍵を開け中に入ったんだが、余計な考えは振り払い仕事に集中したんだと思う
仕事をやっている間は嫌な感じというのは忘れていたか薄れていた
そのせいか工事自体ははかどり予定より早く仕事は片付いた 午後三時ごろだったと記憶している
多分夏だったのだろう 
空が雷雲で暗くなり始めて一雨きそうだったから後片付けを急いだ
片づけを終えて、裏口や二階の戸締りを確認し玄関から出ようとしたそのとき

「ドタドタ バタバタ キャッキャッ バタンバタン」

と二階のあたりから複数の子供が走り回りドアを開け閉めしているらしき音が聞こえるではないか

多分俺が片付けやっている間に近所のガキ共でも入り込んで悪さしているんだろう、と
ちょっと考えると紛れも無く異常事態なんだが、なぜこの時こんな事を思ったのか今でも分からん
その時の俺は、なんの疑いもなく二階に確認しに行った 

二階の各部屋を見回ったが誰もおらず、少し離れた家の音が聞こえてきたのかも知れん、と玄関の鍵を閉めようとした
「ドタドタ バタバタ キャッキャッ バタンバタン」
どう考えてもこの家の二階からの音だった
よくよく考えてみると当時その家の周りには家が少なく、一番近いところでも300~500mぐらいは離れていて、その家の騒音が反響して二階から聞こえるなんて事は通常ではありえない
ところがその時の俺は、「もう間も無く雨が降ってきそうだから帰りたいのに、中に子供がいたら鍵閉められねえじゃねえか!クソ面倒なガキ共だ」なんて事を思いながら再度二階に確認しに行ってしまったのだ
全部屋を見回ったが人の気配は無く、もしかすると押入れにでも隠れて、この俺様を馬鹿にしているんではあるまいな?と考え、押入れや隠れられそうなところをすべて見回った
そして階下に下りて行き一階も同様に・・・・・

何も異常は無い
というか人なんかいない
この辺で俺は我にかえったんだと思う
我ながら相当鈍いが

俺は急いで、だが奴ら?に気づかれないように音を立てないように玄関に向かい鍵を閉めて外に出た

すると
「ドタドタ バタバタ キャッキャッ バタンバタン  ギーギー」
やっぱり聞こえてきたんだ
外は雷がきそうな、いかにもB級ホラー映画っぽい絶妙なシチュエーションだし、今考えると演出バッチリって感じだったわ

俺は当然、三回目の確認はせず、急いでそこを離れ二度と近づかなかった

ここまで見てくれた人達には申し訳ないがこれだけだ
そこの住人がどうなったか?そこはいわく付の土地なのか?まったくもって調べてもいないし知ろうとも思わなかったんで結末は無い すまん

とここで終わりの話だったんだが・・・・・・・・・







最近その話を嫁にしたところ、そういえばどうなったんだろう?と気になりそこを通ってみようという事に・・・・・
そこの住人が幸せに暮らしていれば俺の気のせいとか思い込みって事で片付くからすっきりしそうだと思ったんだ
ところが場所をすっかり忘れていて思いっきり迷ったので、帰ろうと思い適当に幹線道路の方角目指して細い道をグルグル適当に走っていたんだが最終的にその物件を見ることになっちまった
どう考えても人の庭を掠めるような道や行き止まりになるんじゃないか?というような不自然な道を通らされながら(過去に仕事に行くときに使っていた道ではない。今回初めて通る道)、その場所についてしまった事が怖かった

そして その家は?というと

見事に廃墟になっていた
何年前に放棄したのか?草はボウボウ、駐車場は異様な石みたいなのが不自然な配置でおかれていて、トイレや脱衣所の窓についている格子には板が打ち付けられ、窓という窓も板で塞がれていた
何かを進入させないようにしているように見えて怖かった

俺が【いやーな場所】と感じた事や遭遇した異常現象は何か意味があったんじゃないか?と思わざるを得ない結果になったような気がして心底後悔したわ

行くんじゃ無かった 知らなきゃ良かった


【いやーな場所】と感じたら絶対近づくな
確実に得する事は何も無い、あるのは大小関わらずデメリットのみだ
これは確実!そうコーラを飲んだらゲップが出るっていうくらい確実なんだッ!


bad place




by hornet









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2013年12月21日 Posted by Hornet  at 20:15 │Comments(0)ちょっと怖い話

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