Sneak attack

本来、先に言って欲しかったのに後から真実を告げられて「ええっ?」ってなった事は無いかい?
最初から知っていればどうにでもしようがあった、対策も取れた、困難も回避できた等色々なケースがあると思うが、今回の話はちと訳が違うかもな














↓ ↓ ↓ ↓ ↓  まぁ つまらん茶飲み話だ


10年ぐらい前かな
ある不動産会社から、ある中古物件の内部の点検と改修を依頼されたんだ
今回の依頼は物件の情報、内部の状態等の情報、図面等は事前には与えられず、当日現場で打ち合わせしてそのまま工事に移行してもらうとの事で、まぁ こういったケースは俺達の業界では割りと良くあることなので、普通に了承したわけだ

そして当日
この会社は通常、FAXで前日までに案内図と住所を知らせてくれ、それを頼りに俺たちが直行し現地で落ち合うと言う事が殆どだったが電話で確認してみると、今回は別の車で同行案内すると言う
距離もある場所だし、うちに寄ってもらうと遠回りだし途中はぐれたりすると面倒なんで住所が分かれば直行しますと言ったが同行すると譲らない
んで、当日現れたのが本人では無く、現場監督兼雑用係の人と建築関係の人
なんでも少し工事するところがあるんで同行との事だった
うちからは俺とRAVENの2人

まぁ 前置きが長くなったが俺を含めてこの4人の面子で現地入り
現場敷地は一戸建ての敷地としてはかなり広く、多分400~500坪ぐらいあったんじゃないかな?
建物自体は60坪~80坪ぐらいのちょっと大き目の住宅って感じだったが、庭がとても広くとってあり、池や日本庭園、井戸や祠みたいな物もあった

俺たちの仕事は建物の内部設備の点検・改修・補修と言った感じ
まぁ 二人で一日仕事だ
早速内容を打合せし、仕事に取り掛かると間も無くして同行の二人は一旦引き上げるという

担当者「すぐ終わる仕事だったんで案内も兼ねてきたんですがあらかた片付いたんで事務所に戻ります。時間が空いたらまた来ますが、もしかすると来られないかもしれないんで鍵預けていきますので最後に閉めてきてください。」
まぁこれも良くある事 
了承して仕事に戻った
朝から不審とは言えないまでも若干の違和感を感じていた俺だったが、ほぼ点検も終え、改修するべきところもあらかた片付き、最後の改修場所の和室へ移動したときに俺の異常感知アンテナが作動した

なんか嫌~な感覚なのだ
よく説明できないが居心地が悪い
雨戸が閉まっていて暗いから息苦しいんだろうと、RAVENと窓を全部開放。
空気を入れ替え明るい光が差し込んでいる状態でも違和感は消えない

とは言え、この場所の改修だけすれば仕事は終わりだ
とっとと終わらせて帰ろうぜ、と黙々と仕事をこなした
そして最後に天井を見てみると照明用の電線が天井内に引っ込んでしまっている
これでは入居した人が照明をつけられない、と思った俺たち二人は天井裏へ上がって線を出しなおしてやろうと考えた
天井裏にさえ上がればこんな事は五分とかからずに終わる仕事だ

ところが・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


普段は別にどうと言う事でも無いんだが、このときだけはどうしても天井裏へあがる気がしない
仕方が無いのでRAVENに代わりにと促すと
「埃まみれになるから嫌だ」とか言ってやる気がまったく感じられない
確かに俺も誇りまみれは嫌なんだがそんなのは慣れっこだ。それが理由ではない

自分は拒否ったRAVENは「チャチャっと上がって線出して来いよ そうすれば終わりだからよ」とか抜かして俺にやらせる気満々だ 
糞過ぎて笑えん

少しの間、擦り付け合いが続いたがどうしてもその空間に立ち入る事はヤバイ気がしたので、結局のところ天井裏には上がらんで天井に開いた直径1センチ程の穴から針金で線を引掛ける事にしたのだった

やってみた事のある人は分かるが、こんな方法では線が引っかかる確立はかなり低いわ、尚且つ時間も膨大にかかるわで、他に手段がない時の最終手段もしくは愚か者の方法と言ってもいい通常は絶対やらないような方法なのだ

その後、意地でも天井裏の領域へ踏み込みたくない俺たちは、二時間近くこね回してやっとの事で線出しに成功した
それほど時間をかけてまでも俺は天井裏の得体の知れない闇の力に触れたくは無かったのだ

それ以外は特に何も無く終わって帰途についた俺とRAVENだったが、その後あの家がいわく付だった事を知る

後日談になるが、同行した建築関係の人(仮にN氏)と別件で会う機会があった
N氏「あの後何も無かったのかい?」
俺 「???」
N氏「いやさぁ 不動産屋には口止めされてたんだけどさぁ あの家ヤバイらしいんだよ」
俺 「ええーっ! 何が?」
N氏「詳しい話は俺も聞かされてないんだけどさ 改修に入る前に現場写真を撮ったら色々写ってたらしくてさぁ」
俺 「・・・・・・・ なんであの時言ってくれなかったのよ?」
N氏「いや 事前に分かったら依頼受けてくれないだろうとの事で口止めされてたのよ 俺もさ」
俺 「・・・・・・・当日先に帰りましたよね? なぜ俺たちを置き去りに?」
N氏「いや俺もね できれば一緒にと思ったんだけど、おっかなかったし仕事も思いの他早く終わったし長居は無用かなぁ と思ってさぁ」
俺 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

やはりあの和室の違和感はただ事ではなかったんだと思う反面、事実を隠されたまま現地へ送り込まれさらには置き去りにされるという、ワイルドギース並の【だまし討ち】をうけ、心中穏やかでない俺は早速、依頼者の不動産屋に出向き事実確認を

すると やはりいくつかの写真にそれっぽいのが写っていた事は認めたが現物は頑として見せてもらえなかった
というか処分した、の一点張り
なんでも井戸から這い上がる骸骨とか得体の知れないものが写っていたらしい
結局物件に関する曰くも教えてはもらえなかったので、あの家の和室で感じたものはいったいなんだったのか?わからずじまいで今日に至る

詳細もオチも無く、申し訳ないがこの話はこれだけで終了なんだが、あの時天井裏に上っていたら何が起きていたのだろう?
何も無かったのかも知れない
何かが居たのかも知れない
何も知らないままに帰ってこれたのは幸運だったのかも知れない
今日に至るまで何事も無く平和に暮らせている事には感謝して今日は寝るとしよう






本日見つけた新兵器

光学迷彩?
光学迷彩



当然 写真と本文はまったく関係ない





by hornet

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2014年01月25日 Posted by Hornet  at 20:15 │Comments(0)ちょっと怖い話

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